「インナーチャイルド」や「癒し」だけでは現実が変わらない理由
私のところには、 「インナーチャイルドを癒してきたけれど、現実が変わらない」 「そのときは楽になるけれど、なぜか根本的な苦しさが消えない」 という方が来られることがあります。
それは当たり前です。
なぜならば本来は、 なぜその現実が起きているのか、 その背景にある因果やカルマまで含めて見て、 実際の現実と向き合っていかなくてはならないからです。
インナーチャイルドや癒しを否定しているわけではありません
潜在意識や心理学、スピリチュアルの世界では、 「インナーチャイルドを癒す」という言葉がよく使われます。
幼少期に傷ついた自分の気持ちに気づいたり、
「あのとき、本当は悲しかった」
「怖かった」
「認めてほしかった」
という感情を否定せず、受け止めていく。
私は、こうしたことが無意味だとは思っていません。
実際、私のセッションでも、 過去の心の傷に触れたときには、 その気持ちを否定せずに受け止めることがあります。
その部分だけを見れば、 インナーチャイルドの癒しに近いことをしているように見えるかもしれません。
ただ、私にとってそれは 根本的な解決そのものではありません。
必要なときに使う、一つの過程です。
癒すだけでは、なぜ現実が変わらないのか
癒すだけでは、私の経験上、 根本的な解決にはなりません。
なぜならば、 そこには因果やカルマがあるからです。
望まない現実や、ひどく苦しい体験というのは、 本来ただ原理に沿って起きているだけです。
これを端的に言えば、 その体験をしなければ分からないこと、 そのことについてまだ理解できていないものがあるから起きている と考えると分かりやすいと思います。
つまり、その現実と、 その時点で理解できていないものとは、 補完関係にあります。
原理とは、ただその原理の構造に沿って起きているものですが、 これは人間にとって分かりやすく言えば、 自分に欠けている理解を、 現実の体験を通して補完していく構造のようになっています。
そう考えたとき、 起きた出来事によって傷ついた自分だけを癒して、
「つらかったですね」
「悲しかったですね」
と、その苦しさを和らげるだけでは、 まだ終わっていません。
その体験が、 なぜ自分の人生に起きたのか。
その現実によって、 本当は何を理解する必要があるのか。
そこを見ないままでは、 せっかく起きている補完関係そのものを見ないことになるからです。
癒しは、苦しさから一度離れるために使うこともあります
ただし、 苦しんでいる人に対して、 最初から因果やカルマの話をすればいいとは私は考えていません。
あまりにも苦しい状態では、 自分に起きていることを冷静に見ること自体ができない場合があります。
だから、まず傷ついた気持ちを受け止めたり、 安心できる状態をつくったりすることもあります。
一時的に苦しさから離れることには意味があります。
ただ、そこで終わりではありません。
心が落ち着いたら、今度は、
なぜ、この現実を自分は体験しているのか。
というところを見ていきます。
その因果やカルマの全体を見ながら、 本当は何を理解する必要があるのかを、 一つずつ見ていきます。
ときには、癒しとは反対に見えることも扱います
その過程では、 自分のこれまでを振り返ることもあります。
自分が人に迷惑をかけてきたことを見ることもあります。
自分の行動を反省する必要があることもあります。
だからといって、 自分を責めることが目的ではありません。
反対に、
「私は傷つけられた側だから、ただ癒されればいい」
とすることも、
「全部自分が悪かった。自分を責めなければならない」
とすることも、 私がやっていることとは違います。
癒しだけにも振り切らない。
反省だけにも振り切らない。
どちらか一方へ極端に傾けば、 それは正負の天秤がずれている状態です。
その人に今何が必要なのか。
癒しが必要なのか。
自分の行動を見る必要があるのか。
因果を理解する必要があるのか。
その全体を見ながら、 その時必要なお話をしていきます。
「癒し」そのものが、現実を見ないための執着になることもあります
インナーチャイルドを癒すこと自体が悪いわけではありません。
けれど、
「私は傷ついているから、まず癒さなければならない」
「苦しいのは過去に傷つけられたからだ」
という説明だけを握り続ければ、 それ自体が新しい執着になることもあります。
本当は目の前の現実を見る必要があるのに、 「癒し」という枠組みの中だけで自分を理解し続けてしまう。
そうなれば、 癒しのために始めたものが、 今度は現実を見ないためのものになってしまいます。
だから私は、 一つの執着を解くために、 新しい執着を握らせないことを大切にしています。
何か新しい正解を与えて、 それに依存してもらうことが目的でもありません。
自分の中で何が起きているのかを見る。
実際の現実と照らし合わせて考える。
その都度、 自分自身で見直し、選択していく。
最終的に必要なのは、 そこだと考えています。
癒されたのに現実が変わらない方へ
もし、
インナーチャイルドを何度も扱ってきた。
自分の気持ちもたくさん癒してきた。
その瞬間は楽になる。
それでも、 なぜか同じような現実が繰り返される。
根本的な苦しさが消えない。
という状態にいるのであれば、
もう一度「癒す」ことだけを繰り返すのではなく、
なぜ、その現実が自分の人生に起きているのか。
そこまで含めて見ていく必要があります。
私のセッションでは、 心の傷だけではなく、 その背景にある因果やカルマ、 執着、 正負の天秤、 分離と統合まで含めて見ていきます。
癒しが必要なら、癒しも使います。
反省が必要なら、そこも見ます。
けれど、 どちらか一方に偏ることを目的にはしていません。
その人に起きていることを全体として見ながら、 その時必要なところを扱っていく。
それが、私のセッションです。
